水虫の脚
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女性の脚

水虫の原因は白癬菌と呼ばれるカビによるものです。
白癬菌は一度感染すると自然に治癒させることは困難で、抗真菌作用のある薬を使う必要があります。
抗真菌薬はいくつかの種類がありますがケトコナゾールもそのひとつです。
ケトコナゾールを含めた抗真菌薬は白癬菌などのカビが増殖するのに必要なエルゴステロールに介入してエルゴステロールの生成を阻害することによって増殖を防ぎます。
増殖が防がれることで細胞の代謝機能により完治させることができます。

水虫の正体はカビ

足の指の間がかゆくなったり水ぶくれが出来る、皮がむけるといった症状が現れることがありますが、これらは水虫である可能性があります。
日本は高温多湿の気候であるため日本人の5人に1人が水虫に感染しているといわれており、水虫は身近な皮膚の病気です。

この水虫の原因となるのは「白癬菌」というカビ(真菌)によるものです。
白癬菌による感染症は「白癬」といいますが、このカビは足の指の間だけでなく手や頭などの身体の色々な部位に棲み着きます。
白癬菌が棲み着く場所によって名称が異なり指に住み着いたのが「水虫」、爪の中にまで入り込んだものは「爪水虫」と呼ばれ、頭部に現れるものは「しらくも」、股部に現れるものは「いんきん」、そのほかの部位に現れるものを「たむし」といいます。

白癬菌にもいくつかの種類がありその種類は40種類以上あり、日本ではこのうち約10種類が白癬の原因菌となっています。
水虫の原因菌として一番多いのはトリコフィトン・ルブルム、二番目に多いのはトリコフィトン・メンタグロフィテスという菌であり、この2つの原因菌が水虫の90%以上を占めています。
白癬菌は身体の中で棲息しやすい皮膚の場所で増殖することで症状が発生します。

白癬菌を含めたカビそのものは地球上のあらゆる場所に棲息していますが、いずれも温度が高い環境を好んでおり、その栄養源として細胞骨格を校正するタンパク質のひとつであるケラチンを使っています。
ケラチンは毛や爪などを構成するタンパク質であるためこれらの場所に白癬菌が繁殖する可能性がありますが、カビが繁殖するためには高温多湿になる必要があり、この条件がマッチしている場所が足や股といった部位であるため「水虫」や「いんきん」といった症状が多くを占めます。
さらに水虫は放置すると爪の内部にまで入り込み「爪水虫」の原因にもなります。

白癬菌そのものは間接接触による感染をするものですが、感染力はそれほど強いものではありません。
感染しやすい場所は足ふきマットなどでお風呂から出たさいに白癬菌の付いたマットで足を拭くことで付着し、そこから靴下を履くなどすると付着した白癬菌が繁殖して感染することになります。
感染力はそれほど強くないため感染源を利用しないことや清潔にすることで感染を防ぐことができますが、一度感染する、つまり棲み着くと自然治癒することはないため治療を行う必要があります。

ケトコナゾールの効果

水虫を含めて白癬菌などカビ類の皮膚疾患には抗真菌薬が使用されます。
カビにもいくつかの種類があり皮膚や角質などで止まり真皮に及ばない表在性真菌症、患部が真皮以降の皮下組織に達する深部表在性真菌症があり、また脳や肺、心臓といった内部臓器にまで達する深在性真菌症などがあります。

白癬菌は表在性真菌症ですが、角質層を破壊して皮が剥けてしまったり、水ぶくれを起こし、さらに防衛反応としてサイトカインやケモカインと呼ばれるかゆみ成分が産生され不快状態になります。
基本的には白癬菌が増殖する状況では破壊された細胞を修復する速度を上回っている状態であり、自然に治癒させることは困難です。
一時的に症状が緩和しても再び白癬菌が行動しやすい状態になると再発します。

治療に使われる抗真菌薬は抗真菌作用によって白癬菌の増殖を防ぐものです。
抗真菌薬はいくつかの種類がありますが、ケトコナゾールもそのひとつです。
ケトコナゾールは、イミダゾール系合成抗真菌薬のひとつで白癬菌のほかにもカンジダ症や癜風等の治療に用いられます。
日本ではクリームとローションが発売されており、海外では錠剤やケトコナゾールが含まれるふけ取りシャンプーが市販されています。
ただし錠剤の場合には毒性があるため使用はほとんどされず毒性の低いトリアゾール系抗真菌薬が使われています。

ケトコナゾールの抗真菌作用としては真菌の細胞膜や酵素の成分であるエルゴステロールの合成に介入することです。
これは他の抗真菌薬でも使われている抗真菌作用でエルゴステロールに介入することでチトクロームP450酵素の働きを阻害します。
チトクロームP450はラノステロールからエルゴステロールにつながるステロール合成経路の一部であり、このため真菌にとって必要なエルゴステロールを阻害して真菌の増殖を防ぎます。
ケトコナゾールは内服薬としては毒性が強いので使用されませんが、外用薬としては現在でも使われ日本ではクリームとローションのほかケトコナゾールが含まれたシャンプーや石鹸、皮膚用ゲル剤などが販売されています。

白癬菌の増殖が抑えられれば細胞の代謝速度が上回るため完治が見込めますが、少しでも白癬菌が残っている場合には再発する可能性があり、症状が緩和したからやめるのではなく完全に白癬菌がなくなるまで行うことが水虫を含めた白癬菌治療には重要です。

水虫は再発性が高かった

現代では白癬菌に対して効果的な抗真菌薬が市販薬としても販売されており簡単に手に入るため、正しい治療をすれば完治させることができます。
しかし、水虫といえば再発性の高いものであり油断をすると再び水虫になるものです。
この再発する理由としては完治するまで治療を続けなかったことが大きな原因になります。

水虫の原因となる白癬菌は目には見えず感染しているかは、症状が現れるか顕微鏡を使った検査をするしか方法がありません。
また白癬菌は皮膚の表面のなか角質層内部に存在しており、必ず感染したからといって目立った症状を出すとは限りませんから、感染した直後に症状を自覚することは難しいものです。
また環境によっても症状が大きく左右されるため、特に夏場だけ症状が出て冬場は落ち着いているといったこともあります。
一時的に良くなったり、治療をして症状が消えたとしても白癬菌がわずかに残留している場合には条件が整えば増殖を開始して再発します。
特に多いのがセルフケアで行う場合の再発で、市販されている治療薬を使って症状が良くなって治ったと勘違いして治療を中止する場合です。
治療薬のパッケージにも書かれていますが、症状がなくなったあとでも約1ヶ月は根気よく治療を続けることが求められています。
感染者のいる環境では、感染するリスクに絶えず晒されているため油断をしていると再び水虫になる可能性があります。

このため再発性が強い病気というイメージがありますが、適切な治療と日頃のセルフケアで発生させるのを防ぐことができます。
適切な治療としては抗真菌薬を毎日塗ることで、患部の周囲まで広く薄く塗ること、皮膚の症状が見えなくなっても最低1ヶ月は続けることです。
再感染を防ぐために家族に同じような症状の人がいる場合には一緒に治療することです。

一方で白癬菌そのものの感染力はそれほど強くはなく、毎日石鹸でよく洗うことで表面に存在する白癬菌を洗い流すことができるので感染を防ぐことができます。
また増殖するためには高温多湿の状態になる必要があり、このため普段から足が蒸れないようにすることもポイントです。
いずれにしても白癬菌が身近に存在している状態では再感染が発生するリスクがあるため日頃から清潔にすることや同じ症状のある人も一緒に治療することで再発性を下げることができます。

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